ゲームの話。
先日全クリした「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団(アンチャーテッドコレクション版)」の感想。
■良かった所
・前作の反省を全く聞き入れていない
前作の感想で結構ダメな部分を列挙して、「遊べる幅が広がればもっと良くなるのに・・・」と書いた。
おそらく俺以外の当時のユーザーも、そう思っていた奴が何人かはいたんだろう。
しかし、ノーティドッグはそんなユーザーの想いなぞ聞き入れるわけもないと言わんばかりの作品に仕上げてきた。
要は、やっていることは前作とそう変わらないのだ。
変わらないのだが、その分定番の壁登りや銃撃戦、その合間合間の掛け合い等を強化してきた。
くだらない冗談等のやりとり⇒壁をよじ登る⇒申し訳程度のスニークからの銃撃戦という、前作と変わらない流れ。
この流れが前作は退屈で仕方がなかったが、今回は何故かやっていてもそこまで苦ではない。
派手なアクションシーンは確かに増えはしたが、劇的に増加したわけでもない。
だが、あのお決まりのアクションが、そこまで苦じゃない。
それは背景のグラフィックやキャラのモーションのリアリティが格段に向上していることであったり、掛け合いの数が前作よりも増えて旅が楽しいと感じる会話シーンだったり。
ネイトに襲い掛かるピンチやイベントの演出に、いちいちハラハラさせられてしまう。
言い換えると、そのシーン一つ一つに、目が離せないのだ。
良い映画を観ている時はトイレにも行きたいとも思えないし、お菓子も食べたいとも思えない。
まさにアンチャ―テッド2をやっている時は、それと同じ感じになる。
やっていることは本当に限られているのだが、その「限られた事」を前作を大きく上回るクオリティで表現している。
これが最後まで飽きなかった理由。
普通であれば、前作で出てきたフィードバックとして、弱点を克服していくものだが、ノーティドッグの場合は弱点を補うよりも、今の強みをより洗練させることに金と人員を割いた。
そして、そこから繰り出される演出は、良い意味で退屈感を誤魔化している。
伸びしろの無い弱点を補うより、長所だけを伸ばして映像と演出だけでプレイヤーをゲームの中に引きずり込む。
自分たちの演出や映像美のこだわりに自信が無ければここまでやれなかったろう。
非常に素晴らしい。
■苦手な所・悪かった所
・それでもやっぱりアクションのバリエーションが欲しい
前作のフィードバックを振り切り、映像美と演出にまたしても全振りした今作。
その甲斐あって、退屈なアクションシーンがかなり苦ではなくなった。
だからでこそ、このクオリティを他の部分にも使う事は出来ねえか。
やっぱりアクションシーンのバリエーションは多い方が良いんだ。
今作でも新しいアクションがあったが、他にももっと欲しくなってしまう。
このクオリティを他のアクションでも観てみたい。
ここまで来ると苦手な部分というより、要望に近い形だ。
・武器の種類を増やしてほしい
RPG系が出てきてくれたのは嬉しかったが、それでももうちょっと武器が欲しい。
特に近接。1から引き続きの部分。
ネイトくんのゴリラパワーは分かったから角材とかで敵をぶん殴らせてくれよ。
毎回ゴリラスリーパーで締めあげたりゴリラCQCでボコボコにするのは飽きてきた。
■総括
・「ゲームは映像ではない」という定型句に対する一つのアンサー
「アンチャは2で化けた」という噂を耳にしたが、なるほど、確かにその通りだと思う。
寧ろ1も今だからこその評価であり、あの時代であれば結構ハイクオリティな評価だったんだろう。
同時に、映像美をここまでこだわり抜いたゲームがもたらす体験は非常に面白いものだった。
よく現代のゲームを批判する理由の一つに「映像だけ上達して、中身のゲームはちっとも面白くなっていない」「FCやSFCのゲームの方がマシ」という言い草がある。
アンチャーテッド2が俺に見せてくれた体験は、そんな論調を吹っ飛ばしてくれる一つのアンサーだったように感じる。
とはいえ、日本のユーザーに幅広く受け入れられるかというと、そうでもないのだろう。
日本のユーザーとしては、やはりアプリゲームのようなシンプル・単調な操作で実績が積みあがっていくゲームであったり、テレビを丸々占有する据え置き機ではなく携帯機程度の気軽さが求められているように感じる。
また、昨今では実況動画も出てきた事もあり、ゲーム鑑賞に留まる人も少なくはないだろう。
それでも俺を含め、こういう据え置き機で遊びたがるユーザーは居るわけだ。
当たり前だが動画で見ただけの体験とゲームで実際プレイした時の体験は違う。
こういう体験をさせてくれるゲームソフトがあるという事は、国内外抜きにして、純粋に嬉しいものである。
ゲームは映像だけでは成り立たない。
しかし、映像を突き詰めたゲームは非常に面白い体験をさせてくれる。